アンビン(蒸餅)岩
アンビン(鬼の舌?)岩の大きさは直径2メートル程度の丸い石で、古代文字が彫られていると記された本もあるなど以前から気になる岩でした。
位置は、鬼ガ城の山頂から山田団地方面に下り尾根道をしばらく進んだ標高250メートル地点で美鈴が丘東4丁目と5丁目の山の境界、高圧線鉄塔のすぐ下にあります。この岩のある場所は芸藩通誌で畠道尾山と表示され、鈴ガ峰、鬼ガ城と同様に広島藩で管理されていた山(尾根)です。
先日小八畳岩の整備がひとまず終わり、次にこの岩と決めていた当日、24年前の広報記事を拝見し、偶然にもこの岩の名前がアンビン岩と知りました。不思議な名前だなと思い名前の意味を調べてみました。
あんころ餅のことをアンビン餅というそうです。そういえばよく似ています。
室町時代の言葉だそうです。昔、正月には鬼の舌(菱形餅)を食べ邪気を祓う習わしがあったそうです。当初菱形でしたが、宮中で紅白の菱葩(はなびら)に変わったと言われています。現在デパート地下で正月に見かける「はなびら餅」にあたります。菱葩が一般化したのは明治中期からです。それも初めは裏千家の初釜用の菓子でした。
岩の周辺を整理したところ、この場所は、大八畳岩の真北に位置し、団地を眼下に一望し、西街区西上の峰にあったと言われる武田ガ城と窓ガ山を正面に、大茶臼山、狐ガ城、、農が高原、大野権現等も良く見える場所であることが判明しました。
鬼に関係する言われや眺望から、アンビン岩は古代の狼煙の中継地点であったのかも知れません。